human in book bouquet

読書を通じて「身体へ向かう思考」を展開していきます。

 -岡潔

生きた言葉と公案(まえおき)

「公安」ではなく「公案」です。『無心ということ』(鈴木大拙)をルカラガーム(月パスで通っている京都のジム)で読んでいる時に、 「活句と死句」という表現を見つけ、 この「活句」こそが僕がブログで何度も考えてきた「生きた言葉」のことだと思い、 嬉…

着脱式鰓呼吸器の詩

最近、仏教や禅の本を並行していくつか読んでいて、 おそらくそのせいで文章があまり書けません。何度か動機が湧いて書き始めたことがあって、 でもだんだんと内容が書きたいことからずれていって、 それ自体はいつものことですが、 その収拾のつかなさを放…

シモーヌ・ヴェーユと岡潔と「渾身系」

長いまえおきですが、まず花巻近隣の公共図書館について。 司書講習の後半くらいから、図書館めぐりをしていました。 車があったので、高速を使って市外へも行きました。 東北の有名どころとしては、南相馬、川崎村、一関へ行きました。 岩手県外ではあと、…

岡潔と安西水丸の共通点

まさかこの二人がつながるとは。 好きな画家は大観と久隅守景、外国ならゴッホ、ラプラードなどである。 (…) 守景のは実物は見ていないが、ある画家から新聞に出ていた写真版の「夕顔欄」を見せられて好きになった。この絵には半裸の夫婦よりも、それを見…

記憶の供養、「観念の遊戯」でない知性 ─ ある関係の始終についての演繹的思考 (1)

と、言いましたが、やはり書かねばならないようです*1。ではまず、たぶん、そのまえおきから。 × × × 何かについて述べた意見を人がよく聞いてくれそうになったり、書物を書いてよく売れたりしたときに、朝ふと目がさめて自分のいっていることに不安を感じる…

『数学する人生』を読んで

『数学する人生』(岡潔、森田真生)を読了しました。 自分の生活に影響を与える(というか「指針となる」)所を引いておきます。 人は[前段で小説と夢を例に挙げて]こうして、心の様々な位置に身を置くことができるのです。この位置を指して「自分」とい…

直感と連想、個の中の普遍について

今日から『直感力』(羽生善治)を読み始めました。 つまり、直感とは、論理的思考が瞬時に行われるようなものだというのだ。 勝負の場面では、時間的な猶予があまりない。論理的な思考を構築していたのでは時間がかかりすぎる。そこで思考の過程を事細かく…

確信と直観と、その関係について

読んでいる間、これは書いておかねば、と思った箇所。 小林 それからもう一つ、あなたは確信したことばかり書いていらっしゃいますね。自分の確信したことしか文章に書いていない。これは不思議なことなんですが、いまの学者は、確信したことなんか一言も書…

一(個)と全体(組織)について<併読リンク>

僕は学校を出て以来どこの組織にも属することなく一人でこつこつと生きて来たわけだけれど、その二十年ちょっとのあいだに身をもって学んだ事実がひとつだけある。それは「個人と組織が喧嘩をしたら、まず間違いなく組織のほうが勝つ」ということだ。(…)た…

一を知ること、集団について

小林 子供が一というのを知るのはいつとかを書いておられましたね。 岡 自然数の一を知るのは大体生後十八ヵ月と言ってよいと思います。それまで無意味に笑っていたのが、それを境にしてにこにこ笑うようになる。つまり肉体の振動ではなくなるのですね。そう…

「専門家」について(前)

というわけで、今日もVeloceで本を読んでおりました。 そんなそんな 先の土曜から読み始めた『人間の建設』(小林秀雄・岡潔)です。 そんなに厚くない文庫本で、一日で読了できると思いきや、そんなそんな。背表紙の紹介文が「有り体にいえば雑談である。」…