human in book bouquet

本格的に本と関わっていきます。

◆読書

「中井久夫氏のムック本」拾い読み

毎週日曜に近所の図書館に通っていて、いつも新着図書棚を見ています。 毎回ちょっと見てみたくなる本があります。先週見つけた文藝別冊のムック本『中井久夫 精神科医のことばと作法』に思わず目が留まり、拾い読みして、拾い読みした部分を再読したくて借…

無題11

一寸先は 闇の奥 バイクの照らす 夜の道 走る男は 前を向く 今日を限りと 今日も行き 壁の向こうは 真の空 宇宙を漂う 家の舟 綴る男は 果てに行く 知らぬと知れり 知らぬまま 果てぬ夜空に 星多き 座して名指せど 限りなし 尽きぬ波間に 青深き いにしえの魚…

この書を持ちて、その町を捨てよ/「生活読書」

cheechoff.hatenadiary.jp 前↑の記事で寺山修司がひょっこり出てきたのは、橋本治の小論集『夏日』を同時に読んでいたからです。 下に引用した小論の初出は93年、『新・書を捨てよ、町へ出よう』のたぶん解説文です。 この本は文庫で持っていたんですが(た…

『未明の闘争』(保坂和志)を読んだ

ホッシーが言うように人は前世と同じ人生を生きるのだとして、それは一回きりでなく、何回も同じ人生を繰り返す。宿命とはそのことを言ったかどうかわからないが、宿命の一番正しい言葉の意味はそういうことに決まってる。 (…) (…)アキちゃんは今度は難…

図書館の本いろいろ/「本」を守る

とりあえず司書資格取得を目指します。 × × ×初期投資として司書の仕事や資格のことが分かりそうな最近出版の本(1)を新品で買って読み、1冊目からの数珠繋ぎで気になった本(2)(3)を図書館で借りて読み、図書館の棚を巡る中で興味が湧いた本(4)(5)(6)を借り…

市原〜雲ヶ畑〜上賀茂with一本歯、とその考察

一つ前の記事の通りに、一本歯デイウォーク実践編(3日目)を、本日挙行しました。コースは行きは予定通り、帰りは府道61号と38号の交差点で曲がって市原へ戻らずに直進して上賀茂へ下り、MKボウル上賀茂を終点としました。 距離は予定とほとんど変わらず(…

小島氏短編とT-Gen氏 @図書館

昨日『白衣の女』(ウィルキー・コリンズ)を読了したので、今日府立図書館へ行ってきました。返すついでに借りたのは小島信夫氏の短篇集成1と『「あの戦争」から「この戦争」へ』(高橋源一郎)。 タカハシ氏の本は偶然見つけ、目次を読むとまさに今借りよ…

曲に刻む経験の強度、脳内BGMについて

『菅野満子の手紙』(小島信夫)の派生で『白衣の女』(ウィルキー・コリンズ)を読んでいます。 語り手が複数いて、「それぞれの場面で最も適切な者が語る」みたいなことが序文に書いてあります。 今日は一日読むかと思っていましたが、その一人目の手記が…

群衆は眼中に置かない方が身の薬です

今日は朝から府立図書館へ行ってきました。ここ3日ほどの朝刊(朝日新聞)を読みました。 今朝のNHKラジオでは早朝に起きた福島沖の地震についての報道がずっと続いていましたが、もちろんその地震については載っていません。村上春樹氏のスウェーデン(ノ…

小島信夫-(曼荼羅)-森博嗣

とにかく、そろそろ色々調べ始めることにしましょう。柔軟の第十一歩、遍路出立条件 - お遍路天狗への道と、昨日書いたところの今日に『寓話』(小島信夫)を読んでいて、四国遍路の記述が出てきました。読んでいる間は特に驚かなかったんですが、そろそろ小…

連想における雪国の生活と遠洋漁業/『機械の花嫁』

走り書き。 昼食は定食屋「鉄亭」にて、おでんとカキフライ(+50円)。 先週は店に着いたのがL.O.(15時)を過ぎたために入れず、ラーメン屋に行って体調を崩したのでした。 もう舌は完治。同時に発した気のする唇の荒れ(上下の境目付近のできもの。口を大…

新書斎と『寓話』読中のこと

今日は一日部屋にいます。昨日の疲れ、というより先週の「舌の荒れ」がまだ治ってなくて(活動していれば勝手に治る、と思って昨日は出掛けたのですが)、昨日はああだったから今日はこうしよう、というわけです。cheechoff.hatenadiary.jp一日部屋にいられ…

保坂氏が書くこと、御所ナイトウォーク、進撃の第八歩(「上を向いて歩こう」)

一昨日の強行軍でダウンかと思われましたが、体調は崩しませんでした。 とはいえ昨日はほぼ動かずに一日読書でした(昼の12時に起きて夜の12時に寝たので、昨日の活動時間は半日でした)。外出は近所の薬局(徒歩1分。いつも一本歯でないふつうの下駄(駒下…

「24時間参れますか?」、『寓話』と『正法眼蔵』読始

今日は高野のイズミヤ→府立図書館→京大ルネというコースでした。南北の移動はほぼ鴨川で、住んでるところは鴨川デルタに近いんですがそこから「上り」(高野川方面)と「下り」を一日で両方やったのは初めてでした。 まあ靴なんで平気…と言いたいところです…

『数学する人生』を読んで

『数学する人生』(岡潔、森田真生)を読了しました。 自分の生活に影響を与える(というか「指針となる」)所を引いておきます。 人は[前段で小説と夢を例に挙げて]こうして、心の様々な位置に身を置くことができるのです。この位置を指して「自分」とい…

『寓話』を読もう、鉄の定食屋、和歩の瞬発力、入口の第六歩

今日は、前と同じく京都府立図書館に寄り道してから烏丸蛸薬師のVeloceに行きました。今日のコースは大人しくというかまっとうに、鴨川の河川敷を二条通まで南へ下ってから道路に出て左折しました。 図書館では今借りている途中の本があったので、今日は2階…

「静的想像力」の涵養について

まえおき 昔、テレビで「炎のチャレンジャー」という番組があった。たしかウッチャンナンチャンが司会で、番組が設定した課題をクリアして100万円を手に入れるための参加者の奮闘を眺めるという番組。 その課題の内容が、「電流イライラ棒」(一本道の迷路み…

思考という「効率の悪い営み」/集団を離れる

高村薫氏の時評集を読み始めました。作家的時評集2000-2007 (朝日文庫 た 51-1)作者: 高村薫出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/10/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 14回この商品を含むブログ (18件) を見る氏の本は小説にしろエッセイにしろ、 …

転職を考えない坊主頭

『紙がみの横顔』(赤瀬川原平)という紙にまつわるエッセイ集を読んでいて、ある記事のタイトルを見て思わず笑ってしまい、そして本文を読んでなかなかのシンクロニシティを感じました。 その冒頭を以下に抜粋します。 転職のアクセスマガジン「デューダ」…

『プラグマティズム』再読(1)

プラグマティズムはあらゆる学説の角ばったところを取り除き、それをしなやかなものに矯め直して、それぞれの学説を互いに円滑に働かせようとする。本質的に新しいものではないのであるから、それは古来のあまたの哲学的傾向とよく調和する。例えば、つねに…

『モオツァルト・無常ということ』(小林秀雄)を読んで(1)

『モオツァルト・無常ということ』(小林秀雄)を読了しました。モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)作者: 小林秀雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1961/05/17メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 54回この商品を含むブログ (96件) を見る本書には戦前や…

ルドルフ・シュタイナー × コリン・ウィルソン(0)

ながいまえおき(だけ) 「で、シュタイナー学校は?」 「人は育てるものじゃない。自ら育つものだ。それにどう手を貸すか、そういうことだろう。私は明日子をあの学校にやって本当によかったと思っているよ」 「だからああいうお嬢さんになったわけですね。…

サイホン/タコの死にゆく道

「大きな月というのは、なにをどうやってもうまくいく、ついているということだ。かならずしも蓄積ではなく、相互に非常に異なるケース、コントラスト、正反対の色、あらゆる方角で一斉に響く和音、下から上へ、あるいは対角線に沿って社会をくぐりぬける、…

『共同幻想論』(吉本隆明)読了

『共同幻想論』(吉本隆明)を本日読了しました。 4/16に読み始め、毎週土曜の午後にVeloceで読み継いでいました。 湯治に行ったりで2週分は読まなかったとして、 8週×4〜5時間くらいかかったでしょうか。 何が書いてあったか?正直、読んで頭の中に残っ…

見えない雨と言葉、シルクハットと記憶

「見なさい、晴れているのに傘をさした男がいます」 探偵の視線の先を追うと、確かにそのとおり、蝙蝠傘を開いた髭の男が、悠然としてこちらに向かって歩いてくるのが見えた。何やらオレンジ色の包み紙を小脇に抱え、よく見れば、全身が雨に打たれたかのよう…

原罪進行形

小説は論文じゃない。朝起きたり道を歩いたりすることをわざわざ書く。そのこと自体が何かでなければおかしい。私は確信が持てないままカフカを読みつづけた。自分のこの感じがようやく確かなものになったのは、前回の小島信夫の小説を通じてだ。小説とは読…

ほんのマンガ/知識と思想の大循環

今手元にある「ほんもの」のマンガたちです。どのマンガも本への好意が溢れていて、本読みにはたまりません。 右の三冊はブックガイドの要素が大きく、 書評本とはまた違った形で新たな本と出会わせてくれます。 (と書いてみたものの「どう違うか」は…考え…

「空のいけにえ」(宮崎駿)を読んで

タイトルは本のタイトルではなく、 『人間の土地』(サン=テグジュペリ)の解説のタイトルです。表紙絵が宮崎氏だったので「へえ!」と嬉しくなって読み始めたのですが、 最初からいくらか読み進めている間、酷というか、 怒濤というか、 今まで数多くの文…

死者の視線を感じる(『成長から成熟へ』を読んで・後半)

前半から続きます。 たとえば、『宮本常一が撮った昭和の情景』(上下巻/毎日新聞社)という写真集を見てください。(…)この写真集を見ていると、あきらかにいまのぼくたちとは目の光が違うことに気づくはずです。 それが、プロの写真家ではなく、あくまで…

辺縁に生きる(『成長から成熟へ』を読んで・前半)

こめかみが痛んだ。僕は台所に行ってまたウィスキーを飲んだ。僕の体はどうしようもなく揺れつづけていた。ジェット・コースターは音を立ててまた動き始めていた。繋がっている、と羊男は言った。 ツナガッテイル、と思考がこだました。 いろんなものが少し…

「羊男」は羊かい? それとも羊飼い?

なぜ憎みあうのか? ぼくらは同じ地球によって運ばれる連帯責任者だ、同じ船の乗組員だ。新しい総合を生み出すために、各種の文化が対立することはいいことかもしれないが、これがおたがいに憎みあうにいたっては言語道断だ。 ぼくらを解放するには、おたが…

『満足の文化』(J.K.ガルブレイス)を読んで

『満足の文化』(J.K.ガルブレイス)を「午後いっぱい@Veloce×3日」で読了しました。 とても面白かったです。 経済学者の本とは思えないくらい。 92年にアメリカで出版された本で、 原題は "THE CULTURE OF CONTENTMENT" というのですが、 contentmentは他…

「小カッコウ」の「カッコウ例」をいくつか

結局ケチなんじゃないかと言われそうだけれど、決してそういうのではない。生活の中に個人的な「小確幸」(小さいけれども、確かな幸福)を見出すためには、多かれ少なかれ自己規制みたいなものが必要とされる。たとえば我慢して激しく運動した後に飲むきり…

直感と連想、個の中の普遍について

今日から『直感力』(羽生善治)を読み始めました。 つまり、直感とは、論理的思考が瞬時に行われるようなものだというのだ。 勝負の場面では、時間的な猶予があまりない。論理的な思考を構築していたのでは時間がかかりすぎる。そこで思考の過程を事細かく…

はじまりのジェイムズ

そういうことか。 「ひとつの経験が果たしうる唯一の機能は別の経験を導くということであり、われわれが論じうる唯一の充足とは、ある経験される終着点への到達ということである。ひとつの経験が別の経験と同じ終着点に導くとき(あるいは、導きうるとき)、…

すべてが懺悔Fにならない

なみだがでたはなし 明日は友人の結婚式でした。何のぬかりもありませんでした。 習慣を重んじる僕は日曜に予定が入った場合もいつも通りの週末となるよう、 次の月曜の有休を、1週間前から申請していました。 (いつもは休む2日前に申請する習慣からすれ…

刑務所と「宇宙カンヅメ」のこと

まえおき 先の帰省の際に実家から持って帰った古い本を、 日曜の昼下がりに読んでいます。文章の中を流れる時間がとてもゆっくりで、 エッセイの各章がどれも「今は昔」で書き出されていたりもして、 こちらはグリルで焼いたマフィンをもしゃもしゃ食べなが…

持て余す読書経験について(永沢哲『野生の哲学 野口晴哉の生命宇宙』)

本日『野生の哲学 野口晴哉の生命宇宙』(永沢哲)を読了しました。 「土曜の半日Veloce」が6日分で、概算で30時間くらいでしょうか。野生の哲学―野口晴哉の生命宇宙 (ちくま文庫)作者: 永沢哲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/04/09メディア: 文庫購…

『喜嶋先生の静かな世界』(森博嗣)を読んで

いつも平日夜は一日おきに小説二冊を交互に読んでいますが、 今回はちょうど年末で、先週後半にうち一冊を読了したので、 仕事納めの今日に読了するようにもう一冊を毎晩読みました。 年始からは二冊とも新しく始められるわけできりがよいです。+*+*+*…

『アフターダーク』と「しんみりカオス」

昨日『アフターダーク』(村上春樹)を読了しました。 何か書いておきたいと思ったので思いつくままに書きます。 僕は学部時代にジャズ研にいて、カーティス・フラーのアルバム「blues ette」も持っていて、「fiver spot after the dark」と言われてすぐメロ…

「未来を予告するかすかな物音」について

サハラの辺り一面の砂漠にぽつんと立つ、哨所(郵便機の発着を成立させる最低限の施設)にて。 ところが今度は、緑いろの蝶が一羽飛ぶ。蜉蝣が二羽、ぼくのランプに突き当る。するとまたしても、ぼくは曖昧な気持に襲われる。それは喜びかもしれない。あるい…

山岸センセと揖斐くん

相変わらず土曜日の話。最近、土曜にVeloceにいる時間が長くなりました。先週は『「しがらみ」を科学する』(山岸俊男)を午後いっぱいで読始&読了し、 今日は『安心社会から信頼社会へ』(山岸俊男)を5時間強で半分読みました。 前者はちくまプリマー新…

『時代の風音』(堀田善衛×司馬遼太郎×宮崎駿)

ここ最近は平日にブログを書く気にならなくて、 かといえば土曜に書きたいことがいくつも噴出してきて、 その日に書かないと書く気を失くすのは分かっていても、 習慣的なあれこれをこなした頃には日が変わりかけていて、 残念だなあと思いつつもまあこうい…

歴史叙述とは

今日は祝日対応(仕事みたいだな…)で一日一冊をと思い、昨日Veloceで読み始めた『時代の風音』(宮崎駿、堀田善衛、司馬遼太郎)の面白さに導かれて『日本近世の起源』(渡辺京二)を一日中読んでましたが読了ならず。3/5くらいかな。残りは明日どこかで時…

酔狂(的)架橋(的)越境(1)

朝歩いていて、保坂和志の(HPに載ってる)エッセイのことを考えていた。最近読んだ中で、加藤典洋やら橋本治やら僕自身が著書に親しんでいる人々について言及していて(早稲田での講演だったかな)、このリンクは嬉しいなあと思いつつ保坂氏は歯に衣着せな…

「高一追想シリーズ」4冊目

先々週と先週はイレギュラでリュウ氏の新書を読みましたが、 今日から「高一追想シリーズ」最終の第4弾、『人と接するのがつらい - 人間関係の自我心理学』(根本橘夫)を読み始めました。 この4冊を今回読む順番はランダムにした(目を瞑って本棚から手に…

経済だけじゃない、『日本経済に関する7年間の疑問』(村上龍)

『日本経済に関する7年間の疑問』(村上龍)を読了しました。本書は新書なんですが、村上龍が新書を出してるんだと興味をそそられて手に取りました。 経済の本を買ったのは久しぶりで、今の僕は学問としての経済に興味はないのですが(院生時にスティグリッ…

芸術と反権力

は似ているな、と思うリンクがありました。 芸術は意図を超えて反権力的だし(例はいっぱりありますね)、反権力は時に芸術性を帯びる(0円で国家作った人いましたね)。 言葉というのは人間にとって厄介なもので、表記のうえではそれが否定されていてもあ…

「どちらの生き方を選ぶか」?

その結果、抑ウツ傾向のないふつうの人は七五パーセントも当たると当てた(傍点)と思い、何の根拠もないのに、状況をコントロールしていると思うのです。しかし、抑ウツ傾向の人はそうではありませんでした。たとえ七五パーセント当たっても、状況をコントロ…

未知が導く好奇心

『自己チュウにはわけがある』(齊藤勇)を読み始めました。 高一で読んだ本の再読シリーズ第三弾です。心理学の実験の話(被験者が先生役で、サクラの生徒役に電気ショックを与えるとか)が豊富に出てきて、想像しやすくて書かれた理論(というほど堅くなく…